P&D consulting

社長インタビュー

グループコンセプトは
「豊かさの創造」

  • 地域の豊かさの
  • 創造・発展に寄与
豊かさの創造というグループコンセプトを示したきっかけは

私どもの会社はUNICUSブランドを中心にした商業施設の開発を主要な業務として、おかげさまで埼玉県を拠点とする11施設のUNICUSを運営しています。
UNICUSを中心とした私どもの施設は、お客さまや取引先などの私たちを取り巻くステークホルダーの皆様の力をお借りしながら日々発展していくことが重要で、それが受け入れられていると考えています。
近年私どもを取り巻くステークホルダーの皆様が増加し、また多様化している中で、改めてグループコンセプトを設定することで、皆様と考え方などを共有したいと思いました。
私どものグループコンセプトをもう少し具体的にいえば
「私たちはステークホルダーと豊かな関係を築き、豊かな地域の創造・発展に寄与する」ということであり、豊かな関係とは「ステークホルダーとの信頼を築き、維持すること」、豊かな地域とは「毎日が楽しく、便利に、心地いい時間が過ごせる街」だと思っています。

ちょっぴり上質な
日常のライフスタイルセンターを作りたい

溝口社長にとってUNICUSブランドはどのような意味があるか

UNICUSはNLC=「Neighborhood Lifestyle Center」(ネイバーフッド・ライフスタイル・センター)という考えに沿って私どもが自社で開発する施設であり、「ちょっぴり上質な日常のライフスタイルセンター」、「居心地のいい時間が過ごせる地域密着型機能」を目指しています。NLCという言葉は私どもが商標権を取得しており、私ども独自の価値と考えています。
これからもこの考えが実現可能な施設にはUNICUSを冠して開発・運営を実施していく予定ですし、ちょっぴり上質を実現させるには施設のエンターテイメント性も取り入れていこうと思っています。南古谷や上里のようなシネマやカフェなどのエンターテイメントは、他の施設と比較すると特徴的かと思います。


上質な日常のライフスタイルセンターを実現させるためには

私どもの施設では他のネイバーフッド型の施設と比較してテナント数が多いと思います。これには理由がありまして、お客さまが単に目的購買で食品スーパーやドラッグストアに、あるいは衣料品の店に来るというネイバーフッド型では、お店からお店へのクロストラフィックが弱いと考えています。
とりあえずUNICUSに行ってみるか、最後、食品スーパーで買い物をする前に、ぶらりと店を歩き回ってみようか――。
私どもがつくりたいのは、お客さまにそう思っていただける、少しだけ上質なテナントを集めてつくる時間消費型のSCです。数多くのテナントが集まっていないと、ぶらりと歩いて時間消費をしていただけるSCはつくれません。ですから、できる限り多くのテナントを入れます。

運営には支配人が重要

施設の運営にあたっての重要なポイントはなんでしょうか

テナントと良好な関係を築きながら、統制のとれた運営をするためには支配人が重要だと思っています。各テナントにはそれぞれに店長がいますが、普段は相互に連絡は取り合いません。連絡を取るのは基本的に本部の仕事だからです。ですが、横の連携がとれていないと、集中的に施設全体であるいは複数のテナントどうしがイベント展開しようとしても、うまくいきません。そこで私どもUNICUSはSCの売り上げ規模にかかわらず、必ず支配人を置いています。実はそのような機能を持たないネイバーフッド型のSCが多いようですが、20以上のテナントを集めるからには、小さなお店にも波及効果があるように、一番効率よくSCとしての集積効果を引出す仕組みづくりがとても大事だと考えていますし、地域の声も集められると思っています。

長期安定的に地域に貢献できる事業を

ビジネスモデルの特徴は

不動産運用はハイリスク・ハイリターンなやり方もありますが、私どもは地域とともに長期安定的に発展していくことをグループコンセプトにしていますので、それに沿うテナントを探し、話し合い、なるべく長くテナントとしてUNICUSにいていただくことが私たちの基本認識です。その認識から導き出せるビジネスモデルとして25年から30年で土地代も含めた投資を回収できる長期間で安定性の高い事業を組み立てます。
そこから賃料を考えれば相対的に低い水準の固定賃料でも問題ありません。さらにUNICUSは1つの大きな施設にテナントを配置するのではなく、駐車場から直接アプローチできるオープンモールを採用しており、共用部分をなるべく少なくします。もちろんそのなかでトイレなどの施設は快適にご利用いただけるレベルに仕上げますが、プラザという共用スペースはすべて屋外で、建設や空調などのコストを圧縮できるため、テナントからすれば賃料の一種である共益費も軽減できます。テナントにご負担いただく賃料は共益費込みで、流通系SCの半分から3分の1の水準に抑えても採算が合うビジネスモデルだと思っています。

豊かさの創造のためには、
難しいプロジェクトにも挑戦します

これまで開発された物件で印象に残っているものはなんでしょうか?

私どもはこれまで地域の豊かさを実現できるプロジェクトであれば、どんな困難にでもチャレンジしてきました。ですので、開発した物件すべて印象に残っています。
例えばUNICUS南古谷UNICUS上里は私どもとしては規模が大きく、またシネマやカフェなどのエンターテイメントを取り入れました。
UNICUS野田は食品スーパーが所有している土地とその他の所有者の土地を一体開発する提案を行いましたし、UNICUS伊奈は「伊奈町の街の中心を作りたい」という希望の中で、埼玉県が所有している土地を利用したショッピングセンターをつくることで、町と県の要請にも応えました。
UNICUS伊奈は、当時では他に先駆けてコミュニティルームや防災倉庫としての利用も行っています。
UNICUS成田は新しい街の開発地域で近隣に大きな商業施設がある中、程よい規模で地域に受け入れられる施設は何かを考えました。
UNICUS高崎は財閥系商社との共同事業で、地方都市においてもUNICUSが受け入れていただけるということを示せました。
UNICUS鴻巣はリーマンショックを挟んだ時期案件で、リーマンショック後も地域の発展に尽くすという点から諦めず、計画を変更しつつ数年後に事業化させました。
UNICUS吉川は、立地が近隣の大型商業施設二つに挟まれており、商業施設に向いていないと考えられていた中で、行政のご理解・ご協力の下で知恵を出して事業化を行いました。テナント数を絞って立地に沿った開発を行うこと、利便性(車の動線)を確保すべく吉川市と協議を重ね動線を確保できたことは大きな経験でした。
UNICUS秩父は、中心市街地に近接した開発で、地元商業者との調和を重視しました。
UNICUS川越は埼玉県と川越市との総合企画のプロジェクトであり、公共施設と商業施設の融合の在り方を提案しました。
UNICUS浦和美園は、人口増加が見込まれる地域に開発の選択肢を広げ、その一環として地域に密着している浦和レッズのショップも組み込みました。

エンターテイメント性も重要

シネマ事業やカフェ事業の特徴は

カフェはテナントではなく、直営としてグループ会社でFC権を得て展開しています。当初、ネイバーフッド型SCへの出店は収益確保がかなり難しいとの見方がありましたが、実際は違いました。
また、シネコンもユナイテッド・シネマに業務委託していますが直営です。直営にすることでテナントではできないサービスの提供ができます。例えばシネマのロビーからテナントのアイスクリームチェーンショップに直接出入りできるようにしました。両方ともテナントだったら、互いに区分が違うからとそんな発想が沸いてこなかったと思います。シネマの半券を持っていたら、フードコートで一品無料にするなど各テナントと相乗効果が高いコラボを組むことで、飲食の売り上げが伸び、シネマの客席稼働率が上がっていく。直営リスクを負うがゆえにかえって創意工夫がなされたのも事実です。
またUNICUS上里では、地元の本庄市や商工団体などで構成するフィルムコミッションが舵取り役となりシネマ製作を実施しました(JAZZ爺MEN)。私どもは出資ももちろんですがSCとして積極的に参画し、ロケの場所の提供、シネマの上映を行いました。地域と密着したエンターテイメントの在り方を考えていくことも重要と思っています。現在(2017年7月現在)第2弾を企画中で、2018年春に公開予定です。

豊かな地域を創造するために
新たな視点での開発を

今後の開発の考え方は

豊かな地域を実現させるために、商業施設を中心にしつつ、さらにどのような付加価値をつけていくべきかということは今後も考えていきます。
特に、超高齢化社会を迎えるとともに、立地適正化計画に基づいて、居住機能や医療・福祉・商業、公共交通等のさまざまな都市機能の誘導が行われます。これらを踏まえ、私どもは中心市街地にコンパクトな施設をつくるという点でも地域に貢献していけるものと考えています。